柳沢伯夫金融担当相は26日の閣議後会見で、不良債権処理問題が未解決の状態でペイオフが解禁されることについて、「金融機関には一段と加速した不良債権処理が望まれるし、早く、収益を向上して持続的に健全性を維持してもらいたい。そういう、ある種の“シグナル” としての受け止め方をしてもらいたい」と語り、ペイオフ解禁という緊張感があるからこそ、金融機関は問題解決に取り組まざるを得なくなる、との考えを示した。
金融相は、ペイオフ解禁により、金融機関に対する預金者の評価が厳しくなることで、市場原理が機能するとの期待感から「金融機関には本当に緊張感をもって経営をやってもらわなくてはいけない。この時期に、さらに一層、緊張して、問題の解決にあたってもらう道を選んでもらったということだ」との考えを示した。
一方、ペイオフ解禁は、預金者のリスクマネーに対する意識を高める大きなきっかけになるとして、「証券市場の側にとっては“チャンス到来”ということ」と強調。証券市場関係者に対し、「預金者を誘因するためには何をすべきか、ということをよく考えてもらいたい」と注文を付けた。