内閣府がきょう開催した「景気ウォッチャーセミナー全国会合」では、出席した竹中経済財政政策担当大臣から
の「デフレについてどう見ているか」との質問に対し、ウォッチャーからは総じて「(客)単価の低下傾向が続いている」との報告がされたとい
う。
具体的には、「売り上げが伸びず、労働時間が伸びた」(タクシー運転手)などの声が聞かれたという。ただ、観光や百貨店などを中心に客
数が回復してきているとの指摘もあったという。消費全体では、2極分化現象が顕著で、ブランド物などの高額商品や、いわゆるデパ地下と
呼ばれる比較的高額な食品、趣味のものへの消費は堅調だという。また、特に地方で高齢化・人口減が進み、消費の中心がシルバー・マ
ーケットとの指摘もあったという。
企業については、外国との価格競争が厳しく収益が伸びない一方、電気機械分野では半導体などで「仕事量が回復した」(ウォッチャー)
との報告があったという。
雇用に関しては、依然厳しいものの、一時よりも求人数が増えているという。ただ、労働力単価が低下しているのに加え、雇用のミスマッ
チも顕著だとの指摘がされたという。
内閣府幹部は、同会合での報告内容は、前月から上方修正された直近の月例報告の判断とそれほど変わらないとしている。
同会合は全国29の都道府県から52人の景気ウォッチャー、内閣府側からは竹中平蔵経済財政政策担当大臣、松下忠洋副大臣、堺屋太
一内閣府特別顧問、岩田一政政策統括官などが出席した。内閣府によると、これまで地域別の会合はあったが、全国会合は初めて。来年
度も全国会合を継続させていくかは未定。