森金融庁長官は、4月のペイオフ解禁を控えた金融機関の状況について、全体として顕著な預金流出の動きが
生じていることはない、と述べた。
定例会見で語ったもの。
森長官は、金融機関の預金動向について、財務局と連携したモニタリングでは、定期預金から普通預金へのシフトなどの動きはあるとした
うえで、「全体として顕著な預金流出の動きが生じているということではないという認識を持っている」と述べた。さらに、金融システムが依
然ぜい弱という見方があることについて、「今度の決算できちんと不良債権処理を済ませて、4月のできるだけ早い機会に銀行の健全性
(指標)を大手行が自ら発表し、そういう見方が一刻も早く解消していくことを強く期待している」と語った。
また、森長官は、株式のカラ売り規制違反で行政処分が外資系に集中しているとの一部の見方について、外資系と日本の証券で、まった
く差別なく、監視や検査を行っている、との認識を示した。さらに、破たんした石川銀行(金沢市)と中部銀行(静岡市)の受け皿探しについ
て、森長官は、「今週ぎりぎりまで(金融整理管財人に)努力してもらう。その結果、どうしても受け皿が見つからず、基本合意に達しないと
いうことなら、(預金の全額保護との関係で)やむなく日本承継銀行を受け皿にするという決断は、ぎりぎりの段階では、せざるを得ない」と
述べた。
一方、金融機関による保険商品の窓口販売をめぐり、金融審議会が個人年金保険などの解禁を認めたことに関連し、森長官は、今後の方
針について、「さらに、次の一歩についての規制緩和努力をしていかなければならない」と語った。