三菱東京フィナンシャル・グループなど四大銀行グループは、4月のペイオフ(定期預金などの払戻保証額を元本1000万円とその利息までとする措置)凍結解除にあわせ普通預金金利を引き下げる見通しだ。現在の年0.02%(店頭表示金利)が0.01%以下になる。全額保護が続き、預金保険料も上がる普通預金への資金集中を抑えるのがねらいだ。
大手銀の普通預金金利下げは日銀が金融の量的緩和に踏み切った2001年3月に0.10%から0.08%下げて以来。引き下げで史上最低水準をさらに更新する。「日銀の金融政策の変更に連動しない普通預金金利の下げは初めて」(日銀幹部)という。
大手行が金利下げに動くのは、破たん時の預金払い戻しに備えて銀行が預金保険機構に支払う預金保険料が4月から変更になるのが直接の理由。預保機構は全額保護がなくなる定期預金の保険料を下げる一方で、全額保護を4月以降も1年間続ける普通預金の保険料は、預金残高の0.084%から0.094%に引き上げる予定。銀行にとっては普通預金を集めるコストが重くなる。