地方自治体では預金と地方債との相殺や、国債など債券への運用が浸透してきた。金融機関の選別基準も4割近くで作成済みだが、地域金融の安定を優先し、実際に預入先を絞り込む自治体は少ない。多くの金融機関に代理店業務をゆだねざるを得ない税金など収納金は「ペイオフの対象外に」との要望も多い。
調査は各自治体の出納担当者を対象に実施、全59団体から回答を得た。実施または検討中の公金保護策で最も多いのは、破たん時に回収できなくなった預金額まで債務を減らす「相殺」の取り決め。各自治体とも相殺が容易な証書形式の地方債発行を増やしている。福島県や大阪市などは外部団体の債務も相殺に活用する。
債券運用も本格化の兆しをみせていて、北海道が1000億円規模、大阪府も200億円規模で検討中だ。
中小企業などへの制度融資の原資になる預託金を、来年度中は普通預金に切り替えたり、廃止して利子補給に変更する例もある。