4月のペイオフ(定期預金などの払戻保証額を元本1000万円とその利息までとする措置)解禁に備え、企業や地方自治体が銀行取引を見直している。日本経済新聞社が3月中旬に調査したところ、対象企業の4割が預金先を絞り込むなど従来の関係を変更済み。格付けや自己資本比率で銀行を選別する考えの企業も多い。地方自治体の公金を保護する動きも本格化してきた。
企業へのアンケートは日経平均株価採用銘柄(225社)のうち金融機関などを除く208社が対象で、175社から回答を得た。
ペイオフ解禁後の金融機関の破たん懸念に備えて、すでに「金融機関との取引を見直した」企業は全体の41%に当たる71社。「今後検討する」を合わせると149社、85%に達した。
見直し済みのうち41社は預金先の絞り込みや変更に踏み切った。「地方銀行との預金取引をやめた」(大手電機)、「取引先を140行から120行に減らした」(大手印刷)など体力のある銀行へ取引を集約する動きが目立つ。富士電機は預金のみで借入金がない銀行との取引を整理した。