郵政事業庁は22日、民間金融機関の当座預金に当たる郵便貯金の振替口座残高が20日時点で、2001年3月末から4846億円増加、1兆7843億円に達したと発表した。同庁は通信販売業者の利用や民間金融機関との現金自動預け払い機(ATM)提携の拡大が増加の主因と説明している。
月別に振替口座残高の増減をみると、最も増えたのは昨年12月で前月末比1865億円増。3月も20日時点で同1120億円増えている。郵政事業庁は「決済の多い年度末には残高が増える傾向にある。ペイオフ(定期預金などの払戻保証額を元本1000万円とその利息までとする措置)解禁に向けた資金移動ではない」とみている。
郵貯自体は高金利時代に集めた定額貯金が2000年度から大量に満期を迎え、2000-2001年度の2年間に残高が20兆円減少、240兆円になっている。ただ預入限度額がない決済専用の振替口座は無利子にもかかわらず2001年度は増加を続けていた。企業や地方自治体などが「預金を守るために資金を移しているのではないか」と民間エコノミストの一部が指摘している。