イタリアが22日(ロンドン時間)、グローバル円債2000億円の発行条件を決定した。イタリアは21日に1000億円を起債したが、さらに1000億円の増額発行に踏み切った。発行条件は日本国債の利回りを0.07ポイントも下回る水準での決定となった。ブルームバーグ・ニュースが現地で入手した情報で明らかになった。
イタリアのグローバル円債は、年限が5年、表面利率0.375%、発行価格は 99.844円で決まった。応募者利回りは、日本国債の利回りを0.07ポイントも下回るものとなった。
イタリアの格付けは、ムーディーズがAa3、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がAAとしている。日本国債の外貨建ておよびユーロ円建て債の格付けは、ムーディーズがAa1、S&PがAAとしている。
この格付けだけみると、イタリアのグローバル債の利回りと格付けで、「逆転現象」が起こったこととなる。
格付けだけでみれば、理論上、イタリアのグローバル円債の利回りは、日本国債と同じか上回るはず。この逆転現象は、比較的高い格付けの円建て債が国際資本市場で品薄状態にあるにもかかわらず、深刻化する不況、進展しない不良債権、不透明な構造改革など問題が山積している日本経済に対して、海外の投資家が警戒感を示した結果と言える。