日銀は22日、3月の金融経済月報を発表した。景気の総括判断を「輸出や在庫面からの下押し圧力は弱まりつつあるが、全体としてなお悪化を続けている」とし、前月の「引き続き悪化している」から小幅ながら上方修正。日銀が景気判断を前進するのは2000年7月以来1年8カ月ぶり。米景気の早期回復を受けて輸出環境が好転したほか、在庫調整の進展で国内の生産低迷が改善した。
今回の月報では米国経済について「依然不確実な要素が残されているが在庫調整もほぼ一巡、景気回復の可能性が高まっている」と判断を進め、輸出について「年央にかけて回復に転じていく」と予想している。一方で電子部品をはじめとする多くの業種で「在庫調整が一段と進んだ」とし、生産が下げ止まるにつれて「景気全体の悪化テンポもしだいに和らいでいく」と判断した。
一方で、こうした状況の下で製造業が持ち直しても、それが全体の経済活動の好転につながるには「かなりの時間を要する」と慎重な判断を維持した。