【ソウル=坂本英二】小泉純一郎首相は21日午後、韓国公式訪問のため羽田発の政府専用機でソウル空港に到着した。同日夜、ソウル市内のホテルで同行記者団と懇談し、追加のデフレ対策に関して「2002年度予算に勝る追加策はない」と述べ、新たな景気対策は当面必要ないとの考えを示した。
景気情勢について「前から2月、3月危機は起こらないと言ってきたが事実起こっていない。金融危機は確実に起こさせない」と指摘。税制の抜本改革については「経済活性化の上で税制改革は欠かせない。どういう改正が必要か、時期や規模を含めて6月ごろに基本方向を出す中で考える」と語り、景気刺激の観点から一部を来年1月から前倒し実施する可能性に含みを残した。内閣改造や自民党役員人事をめぐっては「小泉政権も与党もいま求心力が1番強く、安定している。内閣改造なんてやる必要はない」と言明、早期改造の可能性を改めて否定した。