大手銀行が今3月期決算で、国が保有する優先株の配当を辛うじて維持、政府議決権の発生する「準国有化」を当面回避する見通しになった。最近の株価回復で株式含み損が縮小したのに加え、傘下の信託銀行株などの資産売却で配当原資を手当てした。金融庁の特別検査を受けて来年度以降も不良債権処理の損失は続くため、株価次第では再び配当が難しくなる可能性もある。
各行は優先株配当は維持するが、普通株では減配あるいは無配が相次ぐ。すでにみずほフィナンシャルグループが減配、UFJグループが無配とすることを発表、三井住友銀行も減配する可能性が高い。 大手銀は1998年と99年に公的資金の注入を受ける際、議決権のない優先株を発行して国に買い取ってもらった。その際に優先株の配当ができなくなった場合は、政府に議決権が発生する仕組みにした。これまでは足利銀行と北陸銀行の2行が配当できなくなり、金融庁が経営監視を強めている。
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