金融庁は20日、メリルリンチ日本証券など内外の証券会社に対して、空売り規制違反があったとして、「業務改善命令」を発動した。金融庁は5社に対し、1)内部管理体制の充実・強化、2)役職員の法令遵守の徹底、3)空売り規制違反の根絶に向けた具体策の策定― ―などを求めた。
メリルリンチ以外の4社は、KBC証券東京支店、岡三証券、クレディ・スイス・ファースト・ボストン(CSFB)証券東京支店、日本グローバル証券。うち日本グ社に対しては関東財務局が発動した。
メリルリンチで処分の対象になったのは、1)ポジションの確認不足など管理態勢の不備による空売り明示を行わない売り付け43件、2)取引所が直近に公表した価格に満たない価格での空売り3件。
KBCは、1)ポジションの確認不足など管理態勢の不備による空売り明示を行わない売り付け56件、2)取引所が直近に発表した価格に満たない価格での空売り8件。岡三は信用取引の証券金融会社への申し込み忘れ30件。
クレディスイスファーストボストンは、1)信用取引の証券金融会社への申し込み忘れ31件、2)取引所が貯金に発表した価格に満たない価格での空売り5件。日本グローバルは、信用取引の証券金融会社への申し込み忘れ24件。
今回の処分は、金融庁が日本証券業協会を通じ、昨年11月中の取引について各社に社内調査を要請、それに対する各社の報告に基づいて行われた。
2月下旬のクレディ・リヨネ証券、ベアー・スターンズ証券、ドイツ証券、日興ソロモン・スミス・バーニー証券の4社に続く第2弾。今後の処分の見通しについて、金融庁は、調査は終わっていないところもあり、処分発表が今後はない、とは言えないとしている。