日本道路公団は19日、今年度中の発行を予定しながら買い手がつかずに残っていた850億円の財投機関債の発行を最終的に断念した。公団は「ほぼ同額を民間金融機関からの借り入れで確保できた」と説明するが、道路4公団改革が先送りされ、将来像が不透明なことが影響したとみられる。
財投機関債は財政投融資改革の結果、今年度から特殊法人に発行が認められた債券。市場の評価を受けることで経営の効率化と自立を促す狙いがあった。
道路公団は01年度の財投計画で1500億円の発行を予定し、2月6日に650億円分を発行したが、残る850億円については主幹事証券会社が「機関投資家の購入意欲が乏しく、募集は難しい」との判断を公団側に伝えていた。同公団の藤井治芳総裁は2月22日の衆院予算委員会で「発行できるという信念のもとに仕事をしている」と引き続き努力する姿勢を示していた。
[毎日新聞3月19日] ( 2002-03-19-22:12 )