国内外の金融機関や買収ファンドが投資目的で日本企業を買収する動きが広がっている。破たんした日本長期信用銀行(現在の新生銀行)を米投資会社のリップルウッド・ホールディングスが買収した1999年以降、金額は全体で1兆円に迫る。企業再編の本格化を受け、親会社から分離された子会社や特定事業、破たん企業の買収が目立つ。企業の新陳代謝を投資マネーが後押ししている。
企業の合併・買収(M&A)仲介のレコフのデータを基に日本経済新聞社が推計したところ、日本企業が売り手となった投資目的の買収額(資本参加も含む)は99年1月からの3年余りで公表分だけで約9300億円に上る。件数は約160件で、同期間のM&A全体の3%強に当たる。投資目的の買収は企業価値を高めた後に株式公開や転売で利益確保を狙う。買い手は海外の投資家が主導する買収ファンドが中心だが、最近では東京三菱銀行などが今月、200億円のファンドを立ち上げた。野村ホールディングスや日興コーディアルグループも将来は外部から出資を募り買収ファンドを設ける方針。