経営再建途上にある大手スーパーのダイエーは19日午前、増資や不動産の移転などに伴う登録免許税減免などの優遇措置を求め、産業再生法の適用を経済産業省に申請した。
税の優遇措置に加え、経営再建に向けた「新3カ年計画」の確実性と透明性をさらに高めるのが狙いで、減免額は6億円を上回る見通しだ。経産省は1カ月以内に申請を認めるとみられ、これが認められれば債権放棄を受けた企業への初の適用となる。
同法の適用を申請したのは、ダイエーと商業施設の運営管理を行う同社子会社の「オレンジエステート」(東京)の2社。
経産省は、ダイエーが安定した経営基盤を確立できるかなどを「慎重に審査する」(流通産業課)としている。
同法については既に、日産自動車など計122件が認定を受けている。ダイエーは、日本政策投資銀行の低利融資や厚生労働省の雇用関連助成金なども受けやすくなる。
ダイエーはこの日、主力3銀行による5200億円の金融支援や店舗閉鎖などを柱とする「事業再構築計画」を提出。4月から2005年2月にかけ、債務の株式化(デット・エクイティ・スワップ)や業績が伸び悩む計58店舗の閉鎖などを進め、有利子負債を圧縮する。