ダイエーの高木邦夫社長は18日、毎日新聞の取材に対し、新再建3カ年計画の焦点となった「福岡3事業」のうちドーム球場とシーホークホテルの処理策については、UFJ銀行など主力3行だけでなく、福岡銀行など地元3行の支援が必要との考えを明らかにした。また、中内正氏が持つホークス球団株式は「地元銀行や、企業に持ってもらう考えもある」と述べ、地元分散譲渡も含め時間をかけて検討してもらう意向を示した。
ダイエーは2月末の再建策で、球団は売らずドーム、ホテルは「証券化や資本戦略を含めた流動化をする」と位置付けた。証券化による売却か、地元を含めた外部資本の受け入れかなどの具体策を3年間でまとめ、福岡事業の負債1400億円を減らす考えだ。
ダイエーは主力行の5200億円の金融支援の一部でドーム、ホテルの累積損、含み損を処理する考えだが、福岡事業には、福岡、西日本、福岡シティの3行が主力行を上回る融資をしている。高木氏はこれを踏まえ、「地元3行にも協力を得て、3年間で絵を描きたい。例えば、資本参加をお願いするのも一案」と述べた。債務の株式化も視野に入れ、検討するとみられる。
一方、球団株は、ダイエー60%、中内氏40%の保有比率。白紙に戻した中内氏への株式放出要請について「地元の反対が強く、一時凍結した。その時はダイエーが全部持つのがいいと思ったが、中内さんの40%をどうしたらいいか地元にもお考えいただきたい」と地元銀行や企業などへの分割譲渡に含みを残した。
また、正氏が球団株を中内功氏から1株1円で譲渡を受けた問題は「財務諸表から言ってありうる価格だが、営業権など別の評価もある。透明性から言っていかがなものかという指摘はその通りだと思う」と述べた。さらに、「譲渡そのものも、『えっ、譲っちゃったの』という状態だった」と述べ、ダイエーに通告がなかったことを明らかにした。
さらに、高木氏はドームやホテルの資産所有、運営、マネジメントを行う子会社が複雑に入り組んでいるため、処理策の中で整理する考えを明らかにした。 【今沢真】