森昭治金融庁長官は18日の記者会見で、大手銀行に対して金融庁による検査結果を反映した形で自己資本比率などの健全性指標を早期に公表するよう要請していることを明らかにした。ペイオフ(定期預金などの払戻保証額を元本1000万円と利子までとする措置)の解禁に伴い、預金者の不安を解消するために積極的な情報開示するよう求めたものだ。
大手銀行は昨年11月、中間決算を発表した際に2002年3月期の決算予想を公表している。実際の損益が公表値から大幅にかい離した場合に業績修正を発表する。森長官は「業績修正の必要があろうがなかろうが特別検査や通常検査などの結果を反映した形で健全度合いをできるだけ早く公表する必要がある」と強調。2002年3月期決算を公表する前に、自己資本比率などを明らかにするように求めた。