森金融庁長官は、特別検査の実施状況について、金融庁・銀行・監査法人の3者協議が3月末ぎりぎりまで続く可能性が高い、との認識を示した。また、結果の公表は4月にずれ込むとしたが、できるだけ早期に公表したい、との考えを示した。
定例会見で述べたもの。
森長官は、特別検査の結果公表について、「今の時点では、3月末ぎりぎりまで続く可能性が高いと言わざるを得ない。そうであるなら、結果の公表も4月にズレ込むが、その中でできるだけ早く公表したい」と述べた。
また、昨年末に破たんした石川銀行の受け皿探しについて、森長官は、「石川銀行は、北陸3県にまたがった銀行なので、できれば3県がそれぞれ善意かつ健全な借り手を受け取る形が望ましい」と語った。その上で、「まだ、受け皿が見えてきているところまでは来ていない。できる限り、3月中に受け皿が決まることを期待している」と語った。
さらに、森長官は、4月のペイオフ解禁に関連して、「各銀行の健全度は国民の大きな関心事項なので、少なくとも大手行は通常の決算発表時より前に早急に(自己資本比率など健全性指標を)発表してほしい、と要請している」と述べた。
一方、森長官は、公的資金の予防的注入について、「1年後に起きるか、2年後に起きるか分からないことについて、今から予防的に資本注入できるか。それは預金保険法102条の定めている要件とは少し違うと思っている」と指摘した。