03/17 16:01 相続、贈与税を一体化 生前贈与促し、経済活性 抜 経済03
共同
政府税制調査会は十七日、税制の抜本改革の一環として、別体系
になっている相続税と贈与税の税率や税率段階を同じにし、親子間
の生前贈与で払った贈与税額を最終的な相続税額から差し引けるよ
うにするなど、両税を実質的に一体化する方向で検討に入った。
抜本改革は、個人資産を貯蓄から株式などの投資に向かわせるの
が重要課題。相続、贈与税見直しで高齢者の資産を投資意欲がおう
盛な若い世代に移し、経済活性化につなげる狙いがある。
このほか、両税の課税ベース拡大、最高税率下げや税率段階削減
など税制の仕組みを全面的に見直し、政府が六月にまとめる改革の
基本方針に盛り込むことを目指す。
与党内にはデフレ対策として贈与税の非課税枠だけを拡大する案
も浮上しているが、政府税調はこうした応急措置的な税改正を批判
しており、税体系全体を見直す中で景気動向にも配慮する考えだ。
現在の贈与税の税率区分は十三段階、相続税は九段階と違いがあ
り、それぞれ別々に課税されるため、生前贈与がやりにくい。米国
では単独の贈与税が存在せず、相続時にかかる「遺産税」で生前贈
与の実績も踏まえて税額が決まる仕組みだ。政府税調も、米国方式
を参考に検討を進める。
ほかに(1)利子や株譲渡益など金融所得を分離して一括課税す
る「二元的所得税」の導入(2)所得税の各種控除の縮小と税率引
き下げ(3)消費税の免税点引き下げなど特例措置見直し―も検討
。あらゆる税目にわたり、「簡素、公平」の観点から見直しを進め
る。
(了) 020317 1601
[2002-03-17-16:01]