世界最大の小売業、米ウォルマート・ストアーズの傘下に入る大手スーパーの西友は16日、ウォルマートの経営手法を本格的に活用した新型店舗を来秋から共同展開する方針を明らかにした。物流、情報システムの刷新で仕入れコストの大幅削減を図り、低価格と高収益を両立するウォルマート流の店舗運営を03年度中に確立、04年度以降は出店数を一気に増やす戦略だ。
共同展開する店舗は当面は、西友がここ数年、経営資源を集中投下してきた小型の食品スーパーが中心になる見通し。また西友が準備してきた新しい店に、ウォルマートの商品、販売手法の導入を早期に進める。
しかし、ウォルマートは「スーパーセンター」と呼ばれる業態の大規模総合ディスカウント店を展開し圧倒的な競争力を持っている。このため、日本でもスーパーセンター型の店舗導入に意欲を示しており、西友とともに日本の市場に見合う店舗面積、品ぞろえに修正した上で導入に踏み切る考えを持っている。
西友は、大型の総合スーパー約100店を含め、グループで約400店舗を展開している。ウォルマートの出資で財務基盤が飛躍的に強化されるため、既存店の改装、閉鎖も加速させ、郊外型の大型店を「日本版スーパーセンター」に衣替えすることも視野に入れている。
一方、共同展開する新型店舗の名称は今後詰めるが、形態や規模により既存の「SEIYU」や「ウォルマートSEIYU」などを使い分ける見通し。ウォルマートは07年末までに総額2600億円を出資し、西友の発行済み株式の66・7%を取得して完全に傘下に
収めるが、知名度が国内に浸透した時点で店舗形態によっては名称を「ウォルマート」に統一することも検討する。【三島健二】