日本経済研究センター(八代尚宏理事長)は15日、8日に発表された2001年10−12月期の国内総生産(GDP)を織り込んだ短期経済予測をまとめた。2002年度の経済成長率は物価変動を除いた実質で前年比0.3%増加する見通し。海外経済の回復で輸出が持ち直しプラス成長を達成する。
予測は外需頼みのプラス成長の姿を描いている。米国の情報技術(IT)投資回復などを受けて4−6月期に輸出が7四半期ぶりに前期比プラスに転じる。輸出増で生産が拡大するため設備投資も好転。一方、個人消費は「構造的に雇用削減や賃金低下の圧力がある」として2002年度に前年比0.2%減を予測。回復に転じるのは年度末以降になる見通しを示した。
日経センターは景気後退期から拡大期への転換点を示す「景気の谷」が2002年1-3月期になるとみている。1-3月期は設備投資の落ち込み幅が縮小し、実質成長率も前期比0.2%減とマイナスが小幅にとどまる。ただ2001年度の予測値は前年比1.5%減で政府見通しのマイナス1%には届かない。