【バルセロナ=山崎浩志】
タックスヘイブン(租税回避地)と名指しされた国・地域が、緩すぎる金融規制や税制の見直しを相次ぎ表明している。マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金運用に対する国際監視の強化が実効をあげ始めた格好だ。
経済協力開発機構(OECD)は2000年6月、非課税や非常に低い税率設定で外国企業を誘致しているとして、35の国・地域をタックスヘイブンと特定。リストを公表し、税制度の見直しや情報公開を強く迫った。
OECDによると、これまでにバルバドスなど3カ国が制度を改善してリストから外れ、バーレーンなど17カ国・地域が是正を政府書簡などで宣言した。態度未定はバハマ、モナコなど15カ国・地域に絞り込まれ、改善に動く国・地域は一段と増える可能性がある。
是正を表明した国・地域は2005年末までに税制度の見直し、金融規制の透明化などを義務づけられる。米領バージン諸島は「口座管理や会計検査の改善など不正摘発体制の強化」を強調している。