伊藤忠商事は15日、経営が悪化している雪印乳業に対し出資する方針を固めた。具体的な出資額については来週以降雪印側と協議を始めるが、雪印本体への出資と、本体が売却する子会社株の取得分をあわせ、最大で200億円規模を想定している。
雪印は、資本増強のための第三者割当増資を近く実施する予定で、伊藤忠は出資比率で10〜15%程度を引き受ける方針。また、雪印の優良食品卸子会社の「雪印アクセス」(東京)の株式も10%以上を獲得したい考え。現在も伊藤忠は同社の株を10%所有しており、今回の買い増しで出資比率を20%以上にし、連結対象にする。
雪印は、不採算の牛乳事業について、全国農業協同組合連合会(全農)と全国酪農業協同組合連合会(全酪連)と経営統合を視野に包括提携することを決めている。
今回、再建の枠組みが固まったことを受け、すでに伊藤忠に対し非公式に出資を要請していた。一連の増資では全農が筆頭株主になり、メーンバンクの農林中央金庫も10%をめどに引き受ける方針。