【ワシントン=吉次弘志】米司法省は13日、破たんしたエンロンの監査書類を破棄した監査法人のアンダーセンを「司法妨害(証拠隠滅)」の疑いで起訴した。同省はアンダーセンに量刑の軽減などと引き換えに有罪を認める司法取引を求めてきたが、アンダーセンが拒否した。米資本市場を揺るがしたエンロン破たん問題は、刑事事件の形で新たな局面を迎えた。
就任前のエンロンとのかかわりが問題化し、捜査指揮から外れたアッシュクロフト司法長官に代わり捜査を率いるトンプソン司法副長官は13日に記者会見し、「起訴状に詳述された司法妨害行為は数人の個人によって引き起こされたのではなく、会社全体によるものだ」と指摘。アンダーセンの証拠隠滅を組織ぐるみの違法行為と見ていることを明らかにし、司法当局の強い摘発姿勢を示した。