ドイツ証券チーフストラテジスト・武者陵司氏=日本の株式相場は3月危機が回避された安堵感などにより、短期的な上昇が継続しそうだ。4月・5月危機も回避されるだろう。ただ、現状を検証すると株式相場の質は決して良くない。なぜなら、日本が抱える問題は先送りされたままであり、いずれ新たな危機が訪れる可能性がある。具体的には、国内要因ではデフレの一段の進行や景気対策の後退が懸念される。また、海外要因では11年にわたる好況を続けてきた米国経済がリセッション(景気後退局面)入りする可能性がある。従って、日本の株式相場の上昇の持続性はなく、年央には再び下落局面を迎えるというのが私の考えだ。