日銀が15日発表した2001年10―12月期の資金循環(速報)によると、12月末の家計の金融資産残高は1420兆4574億円となり、前年同期比で0.3%減少した。株価の持ち直しを背景に前四半期からマイナス幅が縮小。2001年暦年では前年比0.3%減り、暦年ベースで初のマイナスとなった。四半期でマイナスとなるのは2001年1―3月期、7―9月期に続く3度目。年度ベースでは、2000年度に統計開始以来初の減少となっている。
家計の金融資産を種類別に見ると、10―12月期は流動性預金が増えた一方、定期性預金が減少。ペイオフ解禁後も保護が続く普通預金への預け替えが進んだと見られる。また株価低迷やエンロン債デフォルトなどを背景に投資信託が減少に転じた。2001年の資金運用額では現金・預金(郵貯以外)が前年に比べ12兆円余り増えた一方、郵貯が減少幅を拡大した。前年の郵貯の大量満期到来を受けた動き。