証券会社などが加入する「日本証券業厚生年金基金」は14日、代議員会を開き、国際証券や外資系投信会社など11社の脱退を承認する一方、松井証券など2社の脱退を否決した。否決された2社は、積立金の不足分の支払額が折り合わなかったためと見られる。加入者の急減による基金の苦しい台所事情が浮かび上がった。
関係者によると、同基金は各社に、3月末までの積立金と運用実績の差額分の支払いを要求したが、否決された2社は、まだ年度の途中であるとして断ったという。昨年9月に1度、脱退を否決された国際証券は基金側の要求を受け入れ、今回は脱退を認められた。
基金には昨年7月まで約10万2000人が加入していたが、野村証券など大手3社がすでに脱退した上、今回の11社の脱退で約5000人減ることになり、加入者総数は約5万5000人と半減する。
(3月15日03:06)