塩川財務相は、銀行への公的資金再注入問題について、現時点では必要ないが、新しい銀行の経営者が不良債権を次々と処理していけば、必要性の判断がつきやすくなる、との考えを示した。
閣議後の会見で述べたもの。
塩川財務相は、景気認識について、「今までの経営者は古い型で、新しい展開に迷っていた。この4月をきっかけに新しい企業や経営者が出てくる。日本の経済は良くなる」と述べ、「いくら政府がやっても、民間企業がその気になって改革しないとだめだ。その機運が出てきた」と述べた。
金融機関への公的資金再注入という問題については、「今は注入する必要ない。いずれ、そのような事態が起こるかもしれないが、民間銀行の考え方による。新しい経営者に替われば、不良債権をどんどん整理していくのではないか。そうすれば、政府資金が必要か必要でないか、判断がもっとつきやすい。これは銀行の態度ひとつ(の問題だ)」との考えを示した。 また、追加的なデフレ対策という点については、「今までのように基本方針は変わらない」としたうえで、「ポイントは規制緩和。今の経営者は規制緩和をしても、受け入れる能力がない。新しい経営者は、それを受け入れていく。規制改革をスピーディに行わないといけない」との考えを示した。
また、年度途中の税制改正については、「税は原則としてに年度中に改正することは好ましくない。税は信頼に基づくものであり、朝令暮改の印象を与えてはいけない」としたうえで、「(民間から)需要があり、(新しい制度に)答えてくれるという判断がつくなら、年度中に改正に踏み切っていいものもあるが、6月に基本方針が決定した後の話になってくる」との認識を示した。