【ワシントン14日=天野真志】
米商務省が14日発表した2001年の米国の経常収支(季節調整済み、速報値)の赤字額は、前年比6・1%減の4174億2900万ドルとなり、1995年以来、6年ぶりに減少した。
米経常赤字は、米国の景気拡大を反映し、前年(2000年)まで3年連続で過去最高を更新していた。
昨年3月以降の景気後退や同9月に起きた米同時テロの影響などで、輸入が輸出を上回るペースで落ち込んで、貿易赤字が縮小したことが主な理由だ。
ただ、経常赤字の額自体は、前年(2000年)に次ぐ過去2番目の規模となった。このため、額が減ったとは言え、巨額の経常赤字が将来のドル安要因などとされ、米経済の大きな不安材料となっている事態は依然として続いている。
しかも、米国の景気回復に伴い、2002年は、経常赤字が再び拡大に向かうとの見方も強まっている。
経常収支の内訳をみると、2001年の貿易赤字は、同7・4%減の3478億1000万ドルで、景気後退やテロの影響で消費が一時的に冷え込み、輸入などが振るわなかったことをうかがわせた。資金の流れを示す資本収支も、海外から米国への投資(資本流入)が同12・6%減の8954億5900万ドルとなり、景気後退やテロで米国への資金の流れが細ったことを裏付けた。
(3月15日00:04)