国内スーパー大手西友<8268>と世界最大手の米ウォルマート・ストアーズは14日、双方が資本を含む包括的な提携に踏み切ることに合意した、と発表した。西友は第三者割当増資110億円をウォルマートと筆頭株主の住友商事<8053>に実施。さらにウォルマートに対しては2007年12月末を期限として出資比率を66.7%にまで引き上げられるよう新株引受権も付与する―などの内容を契約に盛り込んだ。ウォルマートは、2002年1月期売上高が2200億ドル(約30兆円)に達し、石油メジャーのエクソンモービルを抜いて民間企業としては世界最大になることが判明したばかり。西友との抜本的な提携は、これまで何度となく噂されてきた日本市場進出を事実上、果たすことになる。
●2007年末には出資比率を66.7%にまで引き上げる計画も
契約は、まず業務提携として相互協力によって日本市場における成長戦略モデルを構築し、両社が営業力のアップと収益構造の改善を進める。資本提携では西友の実施する第三者割当増資を一部はウォルマートの子会社に割り当て、当初は6.1%分、2007年12月末には66.7%分(約20億ドル、約2600億円)にまで出資比率を引き上げて事実上、ウォルマートは傘下に西友を収める。
1963年に設立した西友は2001年2月期の連結売上高が1兆711億7300万円で大手スーパーマーケット業界では国内第4位に位置する。店舗数204店(2001年5月末)従業員数1万6215人(パートタイム社員9014人を含む、2001年3月1日)などの規模を持つ。
資本金295億5300万円(2001年2月末) で、株主比率は住友商事11.88%、西武百貨店8.23%、クレディセゾン<8253>5.38%、中央三井信託銀行3.68%、セゾンネットワーク3.66%など。
記者会見した西友社長の木内政雄氏は「これまで収益改善に取り組んできたが、新しいパートナーとの協力関係が不可欠になったと判断した」と説明。米ウォルマートのチャールズ・ホリー副社長兼最高財務責任者(CFO)は「日本市場は米国に次いで世界第2位のマーケット。今回の提携を足掛かりに開拓を進めたい」とコメントした。