倒産件数、負債総額が戦後最悪に!
“負け組”上場企業の淘汰が本格化…
“負け組”上場企業の淘汰(とうた)がいよいよ本格化−。帝国データバンクが14日発表した2月の全国企業倒産集計によると、倒産件数は前年同月より2割近く増えて1712件、負債総額も同14%増の1兆2713億円に達し、いずれも2月としては戦後最悪を記録した。また、上場企業の倒産も4件となり、月間の最多タイを記録した。
2月は、「モノが売れない」などの理由から倒産に追い込まれる企業が続出し、件数は2月としては初めて1700件を突破。1月に続いてその月の最悪記録を更新する結果になった。
また、負債総額は上場企業などの大型倒産が多発したため、6カ月連続の1兆円超えとなり、1月に続いてその月の最悪を更新した。
これにより、平成13年4月から今年2月までの倒産件数は計1万8000件強となり、今年度のトータルでは過去最悪となった昭和59年度の2万件強に迫る勢い。負債総額も、2月までに計14兆998億円に達して、12年度(約25兆9000億円)に次ぐ戦後2番目を記録することが確実となった。
また、2月の上場企業の倒産は、合金鉄メーカーの日本重化学工業(負債1410億円)など4件が発生。13年度の上場企業の倒産は現時点で19件となり、過去最悪だった12年度トータルの15社をすでに上回っている。
政府は14日の月例経済報告で、景気の基調判断を「悪化」から「上向き」へと1年9カ月ぶりに上方修正する見込み。株価も3月に入って急上昇する場面がみられ、市場では景気回復への期待が膨らんでいる。
しかし、今年に入ってからの現時点までの倒産状況をみるかぎり、「1週間に1社のペースで上場企業が倒産し、大型倒産ラッシュはますます勢いづいている」(帝国データバンク情報部)という。