NY(ウォール・ストリート・ジャーナル)米司法省は、早ければ14日にも米大手会計事務所アーサー・アンダーセンを司法妨害で起訴する見通しとなった。アンダーセンは起訴を回避するため、当局との和解交渉を急いでいたが、事情に詳しい筋によると、こうした努力は不十分だったもようという。また、同業他社との身売り交渉についても、デロイト・トウシュ・トーマツとアーンスト・アンド・ヤングがそれぞれ交渉打ち切りを発表し、暗礁に乗り上げている。
アンダーセンに近い筋によると、「(司法省は)予定どおり(14日に)起訴に踏み切るようだ」という。別の筋も「最悪の事態に備えている」と語った。
選択肢が限られてきたアンダーセンにとって、次の策としては連邦準備制度理事会(FRB)前議長のポール・ボルカー氏の勧告に従うことが考えられる。2月にアンダーセンの経営慣行を抜本的に見直す権限をもつ経営監視委員会の委員長に就任したボルカー氏は、同社の監査業務とコンサルティング業務を分割し、監査業務に利害の不一致が生じたり、監査内容の正当性が損なわれないよう監査担当に厳しい規制を適用するよう勧告している。
13日にも、アンダーセン側の弁護士と司法省関係者の間で和解交渉が行われたが、事情に詳しい筋によると和解成立の可能性は低い。アンダーセンは、企業の存続にかかわるために罪状認否で有罪を認めることはできないと主張。一方、司法省側は14日の回答期限を変更する意向は全くない様子という。