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「金融再生最前線」〜経営責任なき債務免除と仕組まれた支援劇[PAXNet] 2002/03/14 10:32:00 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 3 月 14 日 11:11:14:

藤和不動産<8834>、大京<8840>、ミサワホーム<1923>・・・。次々に明るみに出た経営再建支援案は、すでに報じている“11社リスト”そのままの様相を呈している。「もはや経営続行は困難」と見られても致し方ない企業ばかりだが、一方ではリストには載っていなかった準大手ゼネコン・佐藤工業のように、あっさりと長い企業史を終止符を打ったケースもある。ほぼ100%とも言うべき的中率を誇り、決して怪文書とは呼ばせない同リストは一体誰が、何の目的で作り上げたのか―。そこを探ったとき、すでに消え去ったといわれる“金融3月危機”の次に押し寄せるであろう不安がみえてくる。断言しよう。日本の経済が置かれている危機的状況は、なんら変わっていない現実を―。

●まさに不良債権処理の「総先送り」の状況

3月3日に経営破綻した佐藤工業は、当初の計画通りと言っては言葉が悪いが、その運命は2月中旬、第一勧業銀行の杉田頭取が金融庁首脳と会談した際に決まっていたといっていい。しかし、かねてより経営不安が囁かれてきた過剰債務企業のうち、金融庁の特別検査で破綻に追い込まれたのは、去年暮れの青木建設に次いで2社目である。ダイエー<8263>をはじめ、特別検査でリストアップされた企業の多くが、主力行などからの金融支援を受けて再建を目指す事になった。まさに不良債権処理の「総先送り」の状況だ。

●仕組まれた報道合戦

その理由は、金融危機の火種になりかねない状況を未然に防ぎ公的資金の再注入論を押え込む事にある。金融庁は公的資金の再注入論が過熱するにつれ、特別検査を事実上の凍結、つまり抜本的な処理を求めない姿勢を大手銀行各行に内々に示している。ダイエーの支援に始まり、先月から今月にかけて「過剰債務企業」の金融支援が新聞各紙を賑わせたのは、そうした事情だ。それも、こうした金融支援の情報は、銀行側が当局に報告した日の夜には、金融庁中枢の課長自らが、マスコミ各社にリークしているのだから、まさに仕組まれた報道合戦だったのだ。

●佐藤工業破綻の裏側〜金融庁を救うための「生贄」

一連の流れが金融庁の森長官の意向を強く受けている事は、もはやいうまでもないであろう。当局にすれば、金融支援の情報を次々と報じさせる事で、市場に不良債権処理が急展開している事を印象付け、株価を上昇させたかったのだ。現在の株価の上昇を見れば、その狙いは、的中し、期待以上の効果を上げている。その演出の最後の仕上げが、佐藤工業の破綻だったのだ。金融庁は、一連の支援劇の中に破綻を一つ絡める事で先送りではなく、着実に処理が進んでいる事を明確に裏付けようと考えたのである。佐藤工業に同情を寄せる訳ではないが、この破綻劇は、まさに金融庁を救うための「生贄」となったのだ。こうした事実から、11社リストが、金融庁の情報を元に作成されたものである事がはっきりしてきた。その結果、3月危機は事実上回避され、柳沢金融担当相と森長官の責任が問われる事は、現段階では無くなった。

●不自然な再建企業トップの動向〜「自分たちに責任は無い」?

しかし、肝心の金融支援を受ける企業の経営者と言えばどうであろうか。そこから経営責任の声はほとんど聞こえない。いや、当の本人たちにその気が無いと言った方が正確だろうか。その中で、ダイエーの高木社長は、銀行側からの信頼に支えられて責任論は皆無と言える。メイン行の指示通りに中内オーナーを切り、リストラを断行している事が評価につながっている。しかし、中内オーナーに対しても私財の提供などが一部で報じられたものの実現しておらず、次男の中内正氏はダイエー球団の株式譲渡を拒み続けている。経営不振を招いた原因は、実の父親である中内オーナーが作り出したもので、「自分の責任ではない」と言っているようにも映る。
オーナー一族が経営の一線から完全に引かない限りダイエーの再建策は、問題の先送りとの批判を浴びても仕方がない。またUFJ銀行<8307>から支援を受けるミサワホーム、大京もトップの経営責任などどこ吹く風。金融庁の圧力を受け、銀行の都合優先で支援を受けてあげるのだから、責任など取る必要が無いという姿勢に見られてもやむを得ないであろう。
その証拠にミサワホームも大京も、トップは金融支援を受けた後も社長の座に居座る意向だという。他の企業も同じで、「辞める」と表明したトップでさえもほとんどが任期満了での辞任だ。金融庁の仕組んだ支援劇は、経営者のモラルさえも崩し去った、と断言していい。金融庁は、旧大蔵省の護送船団行政へと先祖返りをしようとしている。透明で公正な金融行政は、本当にどこに行ってしまったのか。

●急きょ浮上したオリコ支援のハプニング?

それでも金融庁にはまだ落とし穴が残っていた。金融危機の火消しに成功したかのように見えた矢先かねてから金融不安の火種になりかねないと見られて来たオリエントコーポレーション<8585>(オリコ)に対する金融支援が、急きょ浮上したからだ。
かねてから債務超過などという裏情報が出まわっていただけに、厳しい経営内容は皆が知るところだが、某経済誌の記事は、瀕死の重傷者をさらに痛め危険にさらすようなものだ。これで、第一勧業銀行は、来期に想定していたオリコの支援を今期中に真剣に考えざるを得ない状況に陥っている。オリコについては、問題の子会社群を清算するだけで、数千億円規模の金融支援が必要となる。懐具合が余り豊かではない「みずほグループ」にとって、大きな痛手だ。直接的な原因は金融庁の情報を元にした11社リストに載っていた事が災いした。このままでは今期末のオリコの資金繰りを不安視する向きも出ている。このため、メインによる何らかの支援が必要なのは確実である。

●金融不安と内閣改造時期の思わぬ接点

このように、実は金融不安を起こしかねない火種はまったく絶えていない。ノンバンク、商社、それに生保・・・3月危機は何とか乗り切ったが、来期中の火種にはすでに火がつき始めている。6月には内閣改造があると言われる柳沢金融担当相、また6月に退任が確実視されている森長官がともに責任を問われない時期となれば、その火種が一気に燃え上がる可能性は、やはり高い。金融危機は決して遠のいてはいない。逆に爆発力を強めていると言えるのだ。
(東山 恵)

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