大手生命保険各社が、保険契約の解約を防ごうと対策を強化している。第一生命保険や住友生命保険、朝日生命保険などは相次いで、契約継続を担う専門職員を大幅に増やす。これまで生保は新規契約の獲得に数万人規模の営業職員を投入してきたが、保有契約高の減少が止まらず、営業体制などの見直しに踏み切らざるをえなくなっている。
第一生命保険は現在約660人いる保険契約の維持・継続を担当する職員を、3年程度をメドに4000−5000人規模にまで増やす。担当者は年2回、契約者を訪問。加入している保険の商品内容を説明し、住所や保険金の受取人の変更などの事務を請け負う。営業職員の退職などで長期間接触していなかった契約者を重点的に訪問することで、解約を防ぐ狙いだ。
第一生命には保険を販売する約5万人の営業職員がいるが、契約維持だけを業務とする職員をこれほどの規模で投入するのは大手生保のなかでも異例だ。住友生命保険も昨年8月から、契約維持を担当する職員の採用を開始。2002年度中に1000人にまで増員する計画だ。