東京都と8つの政令指定都市が経営する公営地下鉄の累積赤字が総計2兆3454億円(00年度決算)に達することが10日、総務省の委託研究会が出した報告書でわかった。
調査対象は東京都営と札幌、仙台、横浜、名古屋、大阪、京都、神戸、福岡の8市営地下鉄。これら9事業体の累積赤字は92年度に1兆円、99年度に2兆円を突破、その後も増え続けている。路線別の純損益で単年度黒字は札幌市南北線、名古屋市東山線、大阪市御堂筋線の3線しかなく、巨額の建設費の利払い負担などが経営を悪化させている。
報告書は国や自治体の財政支援を求めるとともに、地下鉄事業を建設と運営の「上下」に分けることや道路財源の投入を検討するよう提言している。(20:57)