(回答先: 携帯電話・PHS1月国内出荷、落ち込み幅は最大〔読売新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 3 月 12 日 19:58:08)
2月末での、携帯電話加入者数は、累計で、6,800万人となり全人口に対する普及率は、53.6%となった。単月での新規加入者数(純増数)は、前年同月比では36.1%減となり、7ヶ月連続で減少している。
対人口普及率(1月末で54%)から考えても、すでに飽和点に達しており、新規加入の増加はほとんど期待できない。
このため各通信事業者(キャリア)にとっては、拡大しないパイを奪い合う、という状況に入っている。従って、既存顧客を他社に取られないこと、さらに他社の顧客を自社に誘導すること、という戦略をとる必要がある。サービス内容の拡充(新サービスの付加、既存サービスの値下げ)によりどれだけ顧客をひきつけられるか、が顧客ベースを維持/拡大するポイントとなるが、その場合の財務的な裏付け(利益貢献しないようなサービス拡充は意味がない)も大きなポイントとなるだろう。
いずれにせよ、拡大しないパイを奪い合う、という構図は通信事業者のみならず、携帯電話端末製造メーカー、およびその部品メーカーにも影響を与える。
全体としての携帯電話端末への需要は低下していく局面にあり、全体としての端末メーカー、部品メーカーともに一時期の好況は期待できない。
そして、どの通信事業者にどういった機種を納入しているのかによって、メーカー間に格差が出る環境になっている。一例としては、シェアを伸ばしている、Jフォン向けに「写メール」を納入しているシャープ<6753>は、他社の携帯電話端末事業が振るわないなか、堅調に推移している。しかし、これもいつまでも継続するとは限らない。
[アナリスト・ネット・ジャパン株式会社/アナリスト 恩馬 貴子]