大和総研投資調査部長中野充弘氏=カラ売り規制の強化を受けて売りにくい雰囲気が強い中で、米国景気の強さを好感して株価の戻りに拍車が掛かっている。海外を中心に機関投資家が日本株のウエートを引き上げる動きが盛んだ。ウエート引き上げの一巡後、さらに上値が買われるかどうかは、日本の不良債権処理策進展や景気動向にかかっている。株高で安心してしまって、不良債権処理策が頓挫してしまうのが怖い。大和総研が予想する主要企業の連結経常利益は今期43%減益、来期は56%増益。リストラ効果により来期収益の急改善が見込まれるが、利益の絶対額は高くはなく、PER面ではかなり割高に買われているものも目立つ。
株価の持続的上昇には、構造改革進展による収益の持続的回復が求められる。