国内で20年近い歴史をもつ外資系ファンド運営会社シュローダー・ベンチャーズ(東京、資本金1000万円)は、現経営陣の松木伸男、川島隆明の両氏を中心に、「親」にあたる金融グループ、英シュローダーなどが持つ49%の株式を買い取り、今月中に独立する。
外資系のファンド運営会社を日本人が買い取るケースは珍しいという。
今後、日本ではファンドを活用した企業再生が増えると見られ、国内ファンドであることを明確にすることで事業拡大を狙う。調達資金総額も現在の約300億円からさらに500億円上積みする予定。
松木氏はトヨタ自動車、川島氏は日本興業銀行の出身。独立後は両氏が共同代表になる。来年中に社名も変更する予定。
シュローダー・ベンチャーズは世界の機関投資家から集めた資金でファンドを作り、倒産企業の買収や、経営陣が株式を買って独立するマネジメント・バイアウト(MBO)の支援などに資金を投入している。昨年は、倒産した配管機材製造大手のベンカン(現ベネックス)を買収したほか、先月もダイエーの不動産子会社マルコーを買い取った。(06:16)