自営業者などサラリーマン以外の入る国民健康保険(国保)で、現役世代の加入者が増えている。企業のリストラで失業し、企業の健康保険から国保に移ったためで、2001年度は4年連続で前年度を上回る見通し。国保はサラリーマンの健康保険に比べ国費助成が多く、加入者増に伴い国庫支出は年間2兆円超に膨らむ。政府が2002年度にまとめる医療保険制度見直しで国保財政のあり方が争点になるのは確実だ。
国保は自営業者ら企業の健康保険に入っていない人のために市町村が運営する。70歳以上の高齢者、企業の定年退職者を除き、現役世代の加入者(一般被保険者)は全体の約6割。戦後の国民のサラリーマン化で自営業者が減ったのに合わせ現役加入者は減少していたが、1998年度以降は増加に転じ、毎年30万―35万人の勢いで増えている。2001年度も11月時点で2714万人と1.2%増。9カ月連続で前年同月を上回り、「年度を通して昨年度を上回るのは確実」(国民健康保険中央会)という。