経済財政諮問会議(議長・小泉純一郎首相)は15日、月末をめどにまとめる政府のデフレ対応策について、大手行に対する金融庁の特別検査を厳格化し、02年3月期に十分な引き当てを実施して、不良債権問題を終結に向かわせる方針で一致した。委員からは市場の信認を得るために公的資金投入など一段の対策強化を求める声も上がった。同会議での議論を踏まえ、小泉首相は18日の日米首脳会談で、ブッシュ米大統領にデフレ克服に向けた強い決意を示す。
会合には、柳沢伯夫金融担当相が臨時メンバーとして出席した。
デフレ対応策は、(1)不良債権処理の一層の促進(2)金融システムの安定(3)資本市場対策(4)中小企業への貸し渋り対策等(5)日銀の金融政策――の5項目が骨格。不良債権処理では、首相の「銀行の体力を気にせずにしっかり処理してほしい」との指示を受け、柳沢氏がすでに特別検査の厳格化や結果公表を表明していた。
諮問会議は今回の金融庁の対応を評価したうえで、大手行が02年3月期に特別検査の結果を反映させた処理を実施することを確認。これを受けて、公的資金の投入が視野に入ることになった。終了後の会見で、竹中平蔵経済財政担当相は「将来も(不安が)続くという市場心理を今回で解消する」と説明した。
また、市場対策として「最近の株価が過小評価されている」との認識で一致。「空売り」規制強化などで厳正に対応することも確認した。
日銀の一段の量的緩和も取り上げられ、竹中氏は会見で「金融政策が効果を発揮する条件をつくり、政府・日銀が協調していく」と語った。 【白戸秀和】
[毎日新聞2月15日] ( 2002-02-15-23:22 )