小泉純一郎首相が13日に総合デフレ対策の取りまとめを経済閣僚に指示したことを受け、金融機関への公的資金再注入を巡る議論が活発になってきた。金融庁は金融危機回避に期待をつなぐ一方、危機時にはあらゆる手段を講じる構え。政府内や与野党には早急に予防的資本注入をする意見が浮上している。
首相は同日、公的資金注入について「現時点では不要だが、金融危機を起こさないためあらゆる手段を講じる」との考えを改めて強調した。竹中平蔵経済財政担当相と首相は金融危機を防ぐため、予防的な資本注入に前向きといわれる。
予防的な資本注入に現行の預金保険法で対応する場合、焦点となるのは「金融危機」の判断だ。同法では「信用秩序維持に極めて重大な支障が生ずるおそれがある」場合に限って資本注入を認めているからだ。