上場企業の2002年3月期の収益が一段と悪化する。日本経済新聞社が9日に集計した全産業の予想連結最終利益は前期比7割減。情報技術(IT)不況やデフレの直撃で売上高が2%減るためだ。3月末まで株高が続けば評価損が減る可能性はあるが、リストラ費用がかさむ電機や鉄鋼が赤字に陥る。2003年3月期はコスト削減をテコに4倍強の急回復を見込む。
集計対象は店頭上場などを除く3月本決算上場企業(1643社、金融・証券・保険を除く)。9月中間決算発表時点での今期最終利益は44%減で、減益幅が28ポイント拡大した。
減収減益は3期ぶり。連結経常利益は前期比ほぼ半減する。会計制度変更などで単純比較は難しいが、世界同時不況で経常6割減益(単独)となった1978年3月期以来の落ち込み。製造業の連結最終利益の減少率は8割を超え、17業種中、減益と赤字が9業種を占める。とりわけ前期に利益額トップだった電機が167社合計で1兆8000億円強の赤字となり前期より3兆3000億円も損益が悪化する。「未曽有のIT不況」(西垣浩司・NEC社長)で需要が極端に低迷したためだ。
★これは為替差損を考慮に入れていない数字でしょうからねぇ。ハア。