自民党の山崎拓幹事長は10日午前、テレビ朝日の討論番組「サンデープロジェクト」に出演し、政府が今週発表する3月の月例経済報告で景気の基調判断が上方修正されるとの見通し明らかにした。一方、政府・与党が検討している追加的なデフレ対策では、税制改正や規制緩和が柱になると述べ、具体例として設備投資減税や住宅取得資金の贈与税の非課税枠拡大を挙げた。
同氏はいわゆる3月金融危機説について、「株価が上がってきたので3月決算はあまり欠損を出さずにできる方向にいっていることが一番大きいと思う」と述べ、株価の反転で金融危機のリスクは薄らいだとの認識を示した。
そのうえで3月の月例経済報告が上方修正されるとの見方について、「そういう方向を打ち出すのではないか」と語り、2月の月例経済報告の「悪化を続けている」から基調判断が上方修正されるとの見通しを明らかにした。
住宅取得の贈与税非課税枠を3000万円に
追加的デフレ対策で設備投資減税を打ち出す理由として、2001年10−12 月期の国内総生産(GDP)の設備投資が前期比12.0%減と大幅に減少したことに触れ、「今後の経済対策では需要面が非常に大事」と指摘、「産業政策が必要であり、キーポイントになるのは投資減税だ」と述べた。
また贈与税で、住宅取得資金の非課税枠を現行550万円から3000万円へ拡大することを「実行に移すことになると思う」と述べ、親から子などへの相続円滑化により住宅取得を促進させる考えを示した。
追加的な経済対策を組む場合の国債発行30兆円枠の扱いについては、「(30 兆円枠は)非常に大事な財政構造改革のメルクマールになってきているので、動かすのは非常に問題が多い」と指摘。特に2002年度当初予算案が現在国会で審議中であることからも、今「議論する必要はない」と述べ、公共事業に関しては、前倒し執行などで当面の対策はできるとの考えをあらためて示した。