柔軟な買い入れ焼却・個人向けなど新型債 財務省
財務省は九日、多量発行が続く国債について、市場消化を円滑にするための総合対策をまとめた。
1)個人向け国債や、元本と金利部分を分離して取引が出来る「ストリップ債」など新型国債の発行
2)集中的な国債償還を避けるため、積極的な買い入れ償却を行い、償還時期を分散
3)電子決済システムを国債にも採用
----を柱としている。国債法改正案など関連法案を週内にも閣議決定、今国会での成立を図る。
2002年度の国債発行計画は、新規発行債と、満期を迎える既発債の償還財源にあてる借り換え債、財政投融資資金を調達する財投資を加え、総額百三十四兆円が予定されている。このうち、郵便局の窓口販売分などを差し引いた市場での発行額は百四兆八千億円に達する。
財務省は、金融機関に偏っている保有者を多様化させるため、購入を個人に限定した新たな国債を来年1月より発行する。
満期十年で、半年ごとに金利が変動する変動金利制を採用し、一万円から購入可能にする。また、市場での売却を制限する一方、国が額面で中途換金に応じる。
ストリップ債は、元本部分の債権と、金利部分の債権を分離した形で保有・取引できる仕組みだ。分離に伴う小口化で、投資家の使い勝手が良くなる。また、分離された元本や金利部分は、実質的に割引債として流通するため、購入時点で利回りが確定し、リスクを避けたい投資家などの需要が見込めるという。2002年度中に法人に限定して解禁する。
また、ここ数年の大型景気対策で大量発行された国債の償還が2008年度に集中していることから、2002-2007年度に2008年度償還予定の国債を約五兆二千五百億円分、買い入れ償却する。償却財源は複数の長期借り換え債で調達し、特定の年に償還が集中することを避ける。
***朝刊にはでていますが、なぜか読売オンラインには出てきませんね。
なにか意図があるのでしょうか。