生命保険会社による個人年金保険の販売が低迷している。2002年3月期の新規契約高は1兆5000億円前後にとどまり、ピーク時の10分の1以下になる見込みだ。運用環境の悪化で個人年金の利回りが下がったのが主因。相次ぐ破たんで、生保の経営に対する不信感があることも響いているようだ。
生命保険協会の調べによると、2001年4-12月の新規契約高は1兆3519億円。前年同期より45%減った。1994年3月期には17兆円あったが、年々減少。2001年3月期は3兆5383億円に落ち込んだ。
個人年金の保証利回りは90年代初め年5.5%だったが、現行は1.5%程度になっている。保証利回りの低下は保険料の引き上げにつながる。同じ額の年金契約でも、保険料は「5.5%時代」の2倍近くになっているという。多くの生保は「今の運用環境で個人年金を売るのは難しい」とみており、医療保険や介護保険の販売に力を入れている。