ニッセイ基礎研究所は7日、「中堅中小企業の約3分の1はデフレ傾向が今後3年以上続くとみている」とするリポートをまとめた。デフレの要因は、需要の落ち込み、安価な外国製品の流入など構造的な問題が絡んでいるとみる企業が多く、短期間で収束するとの意見は少数派だ。
自社製品、サービスの価格が下落傾向にあるとした企業は全体の81%。この傾向が「今後3年以上続く」と見る企業は36・7%で「3年以内に収まる」20・1%、「2年以内に収まる」26・8%を大きく上回った。デフレのマイナス面として「価格下落による売り上げの落ち込み」「仕入れコストが製品価格ほど下落しない」などを挙げる企業が多く、「仕入れコストの低下」や「低価格化による需要増」などプラスに受け止めるのは全体の3%にとどまった。
中長期のデフレ対策として、最も多かったのが「製品サービスの高付加価値化」の30・8%。ただ、「取引先見直しなどによる仕入れコスト削減」「人件費の削減」「設備投資の抑制」をあげる企業も多く、企業努力がデフレ傾向を助長していることも浮き彫りになった。
今年2月、全国の中堅中小企業を中心にアンケート調査を実施し、3361社から回答を得た。【田畑悦郎】