金融庁が中部銀行(本店・静岡市)の破たんを認定した8日、就職が内定し研修中だった学生たちの未来も陰った。「内定取り消しですか」と詰め寄る学生に「ごめんね、ごめんね」と繰り返す人事担当者。そんなやりとりが9日、静岡県内の女子大生(22)の話からわかった。
中部銀行では8日、内定者72人のうち10人余りが研修を受けた。うち女子大生を含む学生9人はバスで帰宅中、車内の電光掲示板で就職先の破たんを知り、あわてて本店に戻った。「どうしよう」「受け皿銀行に雇ってもらえないか?」。社員食堂に通された9人を待っていたのは「(内定取り消しの)可能性が高い」という人事担当者の言葉。「ごめんね」を繰り返す担当者は泣き顔だったという。
女子大生はすでに、配属先が決まっており、4月1日の入行式で着るグレーの制服も届いていた。「2月の新入行員の集いでは、幹部の人が『経営は大丈夫』と話していた。裏切られた気持ち。まだ、正式な説明はありません」と語った。
(3月9日23:10)
★就職は自己責任で。