会社更生法の適用を申請した準大手ゼネコン、佐藤工業の債権者説明会が9日、富山市で開かれた。
午前の説明会では、吉田弘・前社長が約600人の債権者に「こういう事態になり申し訳ない。ゼネコン再編の波など環境の激変が予想を超えた」と陳謝した。
さらに保全管理人の梶谷剛弁護士らが更生手続きの進め方や手形の決済の方法などについて説明した。
出席した債権者からは「(全額補償される)400万円を少し超える債権を抱えた中小企業の対応をしっかりしてほしい。これでは(決算期末の)3月が越せないかも」と窮状を訴える声があった一方、「説明に誠意を感じた。取引は続ける」と協力の姿勢を示す声もあった。
同社は富山県礪波市が発祥の地。県内の取引先企業は下請け、資材納入業者など約800社に上るとみられる。
説明会は名古屋市、大阪市、仙台市でも順次開かれる。同社は主力銀行からの支援を打ち切られて自主再建を断念し、今月3日に会社更生法の適用を東京地裁へ申請した。