【ワシントン8日=天野真志】
カナダの鉄鋼業界は8日までに、外国製品の輸出攻勢を防ぐため、カナダ国際貿易裁判所に緊急輸入制限(セーフガード)措置の発動に向けた調査を要請した。調査を要請したのは、カナダの主要鉄鋼メーカー9社や労働組合などで、米政府のセーフガード発動決定によって米市場から締め出された鉄鋼製品が、カナダ市場に大量に流入し、業界に多大な被害を与える恐れがあるなどとして、カナダ政府に米国と同様の措置を採るよう求めた。
米政府は、北米自由貿易協定(NAFTA)に加盟するカナダとメキシコはセーフガードの発動対象国から外しており、カナダがセーフガードを発動する場合も、米国とメキシコが対象外となる公算が高い。このためカナダが発動に踏み切れば、日本などNAFTA以外の外国製品が、北米市場から排除される可能性が強い。
(3月9日11:25)