時事通信社は9日、主要130社を対象にした来春の新卒採用計画調査をまとめた。それによると、採用見送りを決めた企業と、今春採用予定者数より「減らす」と回答した企業は合計で32社(構成比24.6%)に上り、「増やす」の15社(同11.5%)を大幅に上回った。特にIT(情報技術)不況に見舞われた電機や、デフレで収益が圧迫された化学、鉄鋼など素材関連メーカー、外食サービスなどの採用減が顕著。ITブームを背景に“氷河期”ムードが緩和した一昨年、昨年とは一転し、今年の就職戦線は厳しさが増す見通しとなった。
同調査は2月下旬から3月初旬にかけアンケート形式で実施した。
調査結果によると、3社が採用見送りを決め、29社が「減らす」と回答した。富士通が大卒技術職を今春採用予定者数より3割減らすほか、半導体製造装置製造のアドバンテストは採用中止を決定。半導体向け材料大手の信越化学工業は業績好調にもかかわらず、見送りを決めた。狂牛病の影響で業績が悪化した日本マクドナルドも採用を抑制。出店数に見合う社員が整ったスターバックスコーヒージャパンは3割以上絞り込む。